キヤノン(7751):配当予想を公平に開示せよ
株価はレーティング変更により上昇
本日はイベント3連発を無事乗り越えて安堵しているところです。
さて、12月に配当権利落ちを迎え、その後、株価が冴えなかったキヤノン(7751)ですが、ここのところ堅調に推移しています。
下記の直近1か月の日経平均の推移と比較してみると、3月7日を境に株価は市場を上回るパフォーマンスとなっています。
JPモルガン証券がレーティングの引き上げを3月7日に発表したことは知っていたので、それが要因であると認識していました。
【レーティング変更】
レーティング:Under → Overweight
目標株価: 2,800円 → 4,100円
それはそれとして、そのアナリストレポートはキヤノンの「経営方針説明会」からの情報をベースに書かれており、レーティング変更の理由のひとつとして、「配当はこれまで通り減配 は行わない意向である事」との記載がありました。
株価が上がればいいってもんじゃない
ご存知の方も多いかと思いますが、当社は期初に配当の予想を開示していません。
(キャノン 平成28年12月期決算短信より)
にもかかわらず、機関投資家・アナリストのみが参加できる説明会で「減配は行わない意向」を示しているのだとしたら、その開示姿勢はまったくおかしいと言わざるを得ません。
減配しない意向があるなら決算短信に配当150円と記載すべきです。
Fair Discloser Please!!
企業情報開示の新ルール(フェアディスクロージャー・ルール)の最終案が昨年末に示されました。
規制対象となる「情報」について分かりづらいとの声も多かったですが、この配当予想(見込み)の情報は全く分かりずらくもなんともない、まさに公平に開示しなければならない情報であることは明らかです。
セルサイドとバイサイド間だけではなく、証券会社/機関投資家と個人間、といった視点でのフェアディスクロージャーが強く望まれるなか、後者に対する認識の欠落した経営陣が多いのは非常に残念なことだと思います。
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