OBC(4733):現金ジャブジャブにもほどがある
昨日、14時30分にオービックビジネスコンサルタント(4733)の決算が発表となりました。
増収増益で直近の会社予想を若干上回る無難な着地となったようです。
今期予想は、利益はほぼ横ばい水準で魅力的な見通しとは言えないものながら、
配当予想は70円から80円へ10円増配、といった内容でありました。
当社は現金がジャブジャブの会社です。内部留保も厚く増配など株主還元余力が非常に高い会社であると言えます。
過去からの推移を含めてジャブジャブな状況を見てみると、手元に現金が積み上がり、今期に至っては対総資産での現金比率は70%に迫る水準となっています。。
加えて、当社の投資有価証券を確認すると、直近ではその割合が低下しているものの、同じく対総資産の比率は20%超となっています。
投資有価証券は、業務提携等における企業の持ち合い株式等が含まれるケースがありますが、当社の平成28年3月期有価証券報告書を確認してみると、ほとんど(ほぼ90%)が不動産投資信託等の余資運用となっていることが分かります。
単純に現預金と投資有価証券を足した対総資産比率は以下の通りとなり、総資産の約90%が遊んでいるか本業に使われていない可能性があることが分かります。
もちろん「運転資金」といういものが一定割合必要なのは理解していますが、さすがにこの水準はありえないのではないでしょうか。
当社の「利益配分に関する基本方針」は以下の通りとなっています。
当社の配当政策は、第一に株主に対する長期に安定した利益還元を維持することであります。一方で当業界は成長産業であり、利益還元を維持するには、今後の研究開発活動並びに開発環境(先進ITテクノロジーの基礎環境)の 整備、営業戦力の強化などが必要不可欠であります。よって企業体質をより強固なものとし、安定的な利益を確保するための内部留保を充実し、実績に裏付けされた成果の配分を行うことを基本方針としております。 内部留保資金については、財務体質強化、事業開発、プロフェッショナル人材の育成、中長期的視点に立った先進技術等の研究開発及び生産力並びに品質力向上等に有効投資してまいりたいと考えております。今後も1株当たりの 利益水準を高めるべく収益力の向上に努め、その収益力を基準に総合的な判断により成果の配分を行いたいと考えて おります。
(OBC平成29年3月期 決算短信より)
要するに言いたいことは以下の4点と思われます。
- 長期に安定した配当をしていきます。
- 成長産業に属している当社は研究開発、人材投資が必要です。
- 投資は配当以上に重要で内部留保を充実させます。
- 当期の実績以上の配当をすることはしません。
現在のジャブジャブの状況を何とかしようとする様子は伺えません。
当社の時価総額は2,000億円超あり、機関投資家の投資対象となる銘柄です。「スチュワードシップコード」に基づき行動することが求められている機関投資家が、このような状況を見逃すはずもなく、近い将来、当社の「方針」は変更を余儀なくされるのではないでしょうか。
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