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夢真ホールディングス(2362):夢の高成長・高配当銘柄へ

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8月も終わりに近づいてきました。

そろそろ9月決算の動向が気になるところです。

本ブログで取り上げている銘柄では夢真ホールディングス(2362)が9月本決算となります。

同社の第2四半期決算は採用・教育等の先行投資が負担となり、2桁増益予想ながら下方修正含みであることを述べました。

www.sokogakikitai.com

 その後、四季報予想も本ブログと同水準まで利益予想を引き下げていますが、会社から正式な下方修正の発表は出ていません。期初予想からは20%程度の各利益段階での下方修正を予想していますが、適時開示規則の30%以上という基準には抵触しないため、ひょっとすると決算発表まで会社からの公表がない可能性もあります

第3四半期の決算発表では、期初の会社予想を基準とした場合、その進捗率は引き続き低水準であり、発表後、株価は窓を開けて下げました。

しかしながら、その後の回復は早く、ここまでマーケット全体の状況を踏まえると比較的堅調に推移していると言えるでしょう。

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減配リスクは解消した

当社は高配当銘柄として知られていますが、直近、その配当性向は100%を超える水準となっており、足元の業績進捗から、減配になるのではないかという不安が投資家の中にあったと思います

しかし、第3四半期の決算説明資料をみると、その不安が解消されたと考えられます。

(17/9期配当について)

下表は当社の第3四半期の決算資料ですが、第3四半期末段階で利益剰余金の残高が972百万円となっています。摘要にも記載されている通り、今期の第3四半期までの累計の利益から前期の期末配当(20円)、今期の中間配当(17.5円)を支払った後の残高ということになります。

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(第3四半期決算説明資料より加工)

17年9月末の段階ではこれに第4四半期(6-9月)の利益を加えた金額から、今期期末配当(17.5円)を支払うことになりますが、発行済み株式数は 74,573,354株 なので、今期期末配当支払いのために必要な額は約13億であり、不足金額、すなわち第4四半期(6-9月)で必要とされる最終利益は約3.3億円となります。

第3四半期(累計)の最終利益は1,081百万円ですので、通期で1,410百万円以上の着地であれば17.5円(通期35円)の配当が維持されると計算されます。

1,410百万円は当ブログ予想1,693百万円、四季報予想1,700百万円、Quickコンセンサス2,175百万円よりも低い水準ですのでそれ程ハードルの高くない数値であると思われます

(18/9期以降について)

来期以降はどうでしょうか。四季報予想で18/9期は約10%増益の数値となっていますが、EPS予想は25.5円となり、これを前提とすると、引き続き100%以上の配当性向が必要となります。

しかし、上記計算からも明らかなように利益剰余金が僅かとなっています。したがって、減配とならないためには、EPS35円を上回る最終利益を達成する必要が出てくることになります。

8月25、26日に開催された日経IRフェアの当社資料をみると当社の中期経営計画に基づく資料が掲載されています。

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これによると来期のEPSは下限で40円(当社の中期経営計画はレンジによる設定となっている)となっています。

今期の予想数値も修正されていないなかで、来期以降の会社計画を信じるのは難しいかもしれませんが、当社の「建築技術者派遣事業」は絶好調であり、今期業績の足を引っ張ることとなった「エンジニアリング事業」(夢テクノロジー(2458))も足元の大きな需要に応えるために今期採用計画を大きく増加させて、それによって一時的に費用先行となったということであれば、来期の大幅増益の確度は高いと考えます

これについては、夢テクノロジー単体での修正中期経営計画も出されています(17年5月2日)。来期は今期に凹んだ分、大きく利益が伸びる前提となっています。

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    (業績予想の修正並びに新中期経営計画の上方修正に関するお知らせより)

 

配当政策も正常化し高成長高配当銘柄へ

当社の「配当政策」に関する説明資料の推移を確認してみます。

①2017年9月期第1四半期決算説明資料

2018年9月期以降も引き続き増配を示唆

 

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②2017年9月期第2四半期決算説明資料

増配の文字が消えて業績連動に

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➂日経IRフェア資料(8月25、26日開催)

下限35円+業績連動へ修正

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100%を超える配当性向による高配当と業績悪化時の減配懸念は当社のパフォーマンスが冴えない要因のひとつであったと考えております。

しかし、今期の減配懸念がどうやら無さそうであること、上記の新たな配当方針により増配はなくとも現行の1株35円の配当を下限とした配当が期待できそうなことから、当社株の重しとなっていた要因が剥落したと思われます。

足元の株価は、今期の下方修正懸念のあるなか、9月末の配当取りに向けての動きだけでは十分説明しきれないと感じます。来期以降の成長期待が背景にあると思いますがいかがでしょう。

高成長銘柄は無配であることが多いですが、当社が夢の高成長かつ高配当銘柄であると認知されたとき、株価は4桁あってしかるべきと考えますがどうでしょうか。

  

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