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夢真ホールディングス(2362):新中期経営計画は最低限の水準はクリアしたものの・・・

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昨日引け後、夢真ホールディングス(2362)の2017年9月期決算が発表となりました。

当期の業績については、8月30日に業績予想の下方修正が公表されており、実績についてもほぼ修正値に近い着地となりました。

当ブログの注目点は、(1)今期(2018年9月期)の業績予想数値が既に公表されている中期経営計画の数値と比較してどの程度の水準になるか。また、(2)その利益水準はタコ配ならびに減配にならない数字が確保されているか、ということでした。

(1)については、残念ながらレンジ開示されていた中期経営計画の利益においてその下限を下回るものとなり(売上は想定レンジ内)、(2)についてはタコ配にならず35円の配当が維持される計画となりました。

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(「2016年9月決算説明資料」より 17/5/16公表

 

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(「平成29年9月期決算短信」より 17/11/6公表

 

中期経営計画自体もローリングされ2019年9月の数値も修正されています。

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(「中期経営計画(2018 年 9 月期~2020 年 9 月期)策定に関するお知らせ 」より 17/11/6公表)

 

エンジニアリング事業(=夢真テクノロジー)の採用計画上方修正と、教育・IT事業の先行投資により、当期の業績が減益となることはすでに過去の話ですが、採用計画の上方修正と先行投資は今期以降の飛躍のために、当期は減益となるものの、その分、今期は大きく利益が伸びることを期待していたので、失望感のある予想並びに計画であったという印象です。

夢テクノロジーの決算発表と中期経営計画もあわせてみると、5月に公表された修正中期経営計画の数値が下方修正されています。利益については採用計画上方修正前の水準も下回っています。あれから半年でマーケットへのメッセージを無かったものにするような計画はさすがに酷いと言わざるを得ません。

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(「業績予想の修正並びに新中期経営計画の上方修正に関するお知らせ」より 5/2公表)

 

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(「中期経営計画(平成 30 年9月期~平成 32 年9月期)策定に関するお知らせ」より 17/11/6公表)

 

夢真ホールディングスについては、今期業績を着実にクリアすることは当然のこととして、四半期ごとに業績予想を上方修正する位の勢いがないと、足元の堅調なマーケットに置いて行かれてしまうでしょう。今期の業績予想だけをみれば大幅増収(+30%)増益(+90%)なので、ここから株価が大きく調整する展開は描きづらいですが、しばらく日柄調整が必要ではないかと思われます。

 

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