スシローGH(3563): 回転すし業界の高配当銘柄?
本日は3月30日に東証に上場予定のスシローグローバルホールディングス(3563)について検討したいと思います。
買うつもりはないのですが、1,000株手に入るかもしれないという知人から相談をうけたのと、近所のくら寿司がお昼時にはいつも満員で気になっていたので。
くらコーポレーション(2695)との比較
下表の通り、両社の業績、利益率、増収増益率をみると、売上規模、利益率等、似通った数値となっていることが分かります。
今期業績の伸び率はスシローグローバルホールディングスの方が高くなっているなかで、PER(株価収益率)は、くらコーポレーションの20.2倍に対し、スシローグローバルホールディングスは18.2倍(想定価格:3,900円)と若干割安となっています。
くらコーポレーションの予想が保守的であるといったこと等も考えられるので一概には言えませんが、少なくとも割高感はないと思われます。
(予想は四季報予想)
回転すし業界の高配当銘柄?
下表の通り、回転すし業界の配当利回りは非常に低水準であることが分かります。
くらコーポレーションの配当利回りは0.43%、総合利回り(配当+株主優待の100株ベースでの利回り)も0.98%にすぎません。
スシローグローバルホールディングスは配当性向の目標を「40%を目処」と開示しており、既に株主優待制度の導入とその内容についても開示しております。
そこで、同じく配当利回り、総合利回りをみると、それぞれ、2.20%、2.97%となり、くらコーポレーションよりも魅力的に感じます。
ファンドの出口案件にお付き合いする必要はない?
本案件については公募株はなく、すべてが売り出し、オファリングレシオ(O.A含む)は77%という高い比率となっています。
つまり、2009年5月にユニゾン・キャピタルと組んでMBOを実施(のちに別のファンドが株式を取得)した案件の再上場、出口案件ということになります。
そうなると思い出されるのは同じくファンドの出口案件であった、2014年10月のすかいらーく(3197)のケースです。
公募価格1,200円に対し初値1,200円。下記のチャートの通り、10月末には一時1,000円を割れる水準にまで下落しました。
あの時は世界的な景気減速懸念の台頭により、日経平均が9月末から調整に入っていたタイミングであったことは認識しておく必要はあるかと思いますが、すかいらーく株の下落の印象だけが残っている方も多いと思われます。
自分もそうでしたし、ネットでの意見をみても見送りというコメントが多いように思われます。
<日経平均株価推移(日足)>2014年9月~12月
<すかいらーく株価推移(日足)>2014年10月~12月
すかいらーくはその後、株価が回復しましたが、業績の回復が伴ってのことです。
回転ずし業界は厳しい競争が続くと思われます。将来的には当社を含むいくつかのチェーンのみが生き残ることで、淘汰が進んでいくと思われます。その時に当社が勝ち組として残っているでしょうか。判断するためにはもう少しきちんと調べる必要がありそうです。
いずれにしても、今すぐ買いに行く銘柄という感じはしませんので、個人的には総合利回りが4%を超える水準(2,900円)程度までじっくり待ってから考えます。
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