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オリックス(8591):粛々とオリックスを狙う

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マーケットは今週の米中首脳会談とその後の展開に対する不透明感で冴えない状況が続いています。

現在、直面しているリスクは今までとは異質のリスクであることは昨日書きましたが、リスクを恐れるだけでは仕方がありませんので、粛々と下げたら買える銘柄を探していきたいと思います。

  

オリックスの事業領域の拡大に注目

ご承知のように当社はリース会社であって、リース会社ではない。総合金融業などと言う言葉もありますが、そのような枠にもとどまる会社ではないと考えています。

下記は当社のセグメント毎の利益を14/3期~17/3期第3四半期までグラフ化したものです。

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「法人金融サービス事業」、「メンテナンスリース」といった旧来の事業よりも「事業投資」、「リテール」、「海外」の伸び率やボリュームが大きく見えます。

何カ所か棒グラフが大きく伸びているところがありますが、当社の決算短信をみると、下記のような記述があります。 

14/3期 事業投資事業

持分法適用関連会社であった大京の連結子会社化に伴う評価益58,435百万円の計上により、セグメント利益 は、前連結会計年度の34,937百万円に比べて169%増の94,111百万円になりました。

 15/3期 リテール事業

ハートフォード生命の買収に伴うバーゲン・パーチェス益(36,082百万円)の計上により、セグメント利益は、前連結会計年 度の49,871百万円に比べて142%増の120,616百万円になりました。

 16/3 海外事業 

連結子会社であったフーリハン・ローキー(投資銀行)の株式を米国における新規株式公開に伴い一部売却したことによる売却益の計上(約396億円)および米州の持分法投資損益が増加したこと等により、セグメント利益は、前連結会計年度の104,143百万円に比べて37% 増の142,879百万円になりました。

(各期の当社決算短信より、下線部は当ブログによる追記)

上記、決算短信記載の一時的な要因を除いたグラフは下記の通りとなります。

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 短信の記載内容からすると、「事業投資」の枠外でも事業投資を行っているということで、上記のような枠組みで説明しづらくなったからでしょう、当社の決算説明資料では、上記のセグメントに加えて、新たに「ファイナンス」、「事業」、「投資」という切り口を加えて、事業ポートフォリオを説明するようになったようです。 

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(2016年3月期当社決算説明資料より)

 

当方では、「事業投資」に含まれる環境エネルギー・コンセッションに注目しています。

 

「環境エネルギー」で長期の利益を確保

再生可能エネルギーでは、電力固定価格買取制度(FIT制度)により、20年間の買取が保証されています。したがって、20年の超長期債を買うのと同じ感覚と言っても良いのではないでしょうか。

営業やプロモーションが不要のうえ、投資に見合った利回りが予め計算が出来るリスクの低い事業と言えると思います。

最近では八丈島の地熱発電開発を行い、地産地消型クリーンエネルギーも事業化しています。これは離島のエネルギー開発のモデルとして、今後、脚光を浴びることも考えられます。

 

ビジネスチャンス広がる「コンセッション」

当社は、関西空港をはじめとして、民営化コンセッションにも積極的です。空港運営や水道事業は、自治体の財政悪化問題が要因となっているため、今後もビジネスチャンスが広がっていくことが予想されます。 

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 (2016年9月16日「オリックスのコンセッション事業について」より)

 

四季報に気になる記載がありました。

【関空】コンセッション利益貢献は今期からで100億円弱。不動産は物流や商業で厳選。米国交通インフラサービス、水道保守・管理会社などインフラ系会社買収も。

(四季報17年2集より)

 当社の「事業投資」セグメントは増益を続けていますが、このセグメントが伸びるのはむしろこれからが本番となるのではないでしょうか。

 

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