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パーク24(4666):もう一段下げれば買いか?

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本日の日経新聞に「パーク24、11~1月期純利益10%減 M&A費用が重荷」の記事が掲載されました。

 数日前(2月24日)に観測記事が出ていたのでその確報に過ぎないとさらっと読み流しました。

www.nikkei.com

ところが、本日のパーク24株は▲135円(4.28%)安の3,020円で終わりました。日経平均は274.55円の大幅高だったので大幅な逆行安でした。ちょっとびっくりでした。

 

シェアリングエコノミー最有力銘柄?

当社は駐車場「Times」を展開する企業であることはどなたでもご存知かと思いますが、その圧倒的な駐車場数を武器に、カーシェア業界でもトップを走っています。そういった意味では「シェアリングエコノミー」で成長をなしうる最有力候補であると考えておりました。ただし、株価に特段割安感もないと考えていたので、株価をウォッチするにとどまっておりました。

しかし、本日の大きな株価下落。明日以降マーケット要因でさらに下げるようであれば買える水準になってくる可能性もありますので、当社の事業内容について確認しておきたいと思います。

 

 16/10期は駐車場件数・台数ともに過去最高

(1)駐車場事業

 当社の事業セグメントは「駐車場事業」と「モビリティ事業」に分けられます。

 まず、駐車場事業の動向です。

件数:前期比+291件(+1.5%)の2,000件(ST:1,560件、TPS:440件)

台数:前期比+11,836台(+18.5%)の75,600台(ST:25,000台、TPS:50,600台)

となったようです。

STとはStandard Timesの略で一般的にみられるタイムズ駐車場。TPSはTimes Partner Serviceの略で商業施設、銀行、ホテルや行政などの来客用駐車場を賃借し運営するタイムズ駐車場です。

そう言えば近所のスーパーの駐車場がタイムズ駐車場になっていましたが、タイムズ駐車場にすることで、24時間誰でも利用が可能となり資産の有効活用ができるということのようです。

B-timesという空いている土地を有効活用し、土地オーナーとドライバーをマッチングする会員制サービス(遊休スペースのシェアリングビジネス)にも取り組んでいるようですが、こちらはまだスタートしたばかりのようです。

 

収益は拡大局面へ

 (2)モビリティ事業

タイムズカーレンタル(Times Car Rental)

全国440カ所(2016年10月末)で「タイムズカーレンタル」のブランドで運営するレンタカーサービス。16/10期は売上高、営業利益ともに過去最高を記録したようです。

 タイムズカープラス(Times Car PLUS)

会員登録をすることで、15分単位から24時間いつでも全国16,252台、8,591カ所(2016年10月末)にあるタイムズカープラスのクルマを利用できるカーシェアリングサービスとなっています。

13/10期までは赤字、14/10期は利益ほぼトントンでしたが、15/10期より本格的に利益貢献するようになり、16/10期は売上高 前期比29.0%、営業利益 前期比 125.8%と収益拡大局面に入ってきたようです。

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  <平成28年10月期決算短信より>

会社側はまだ国内の駐車場事業の拡大余地はあるとしていますが、駐車場事業の利益の推移をみると横ばいから微増といったところとなってきましたので、モビリティ事業の収益貢献は当社にとってかなり心強いことであると思われます。

 

 海外事業を本格スタート

加えて、当社は10年後を見据えて海外事業に着手したようです。下記記載のとおり、「セキュアパーキング」をグループ化して更なる事業拡大に着手したようです。 

当第1四半期連結累計期間において、オーストラリア、ニュージーランド、英国で駐車場事業を展開するSecure Parking Pty Ltd、シンガポールで駐車場事業を展開するSecure Parking Singapore Pte. Ltd.及びマレーシアで駐 車場事業を展開するSecure Parking Corporation Sdn. Bhd.の株式の80%の取得し、連結範囲に含めたことにより、 報告セグメント「駐車場海外事業」を追加しております。

  <平成29年10月期第1四半期決算短信より>

 

 第1四半期減益は一時的要因で予定されていたものでは?

さて、今回の株価下落の要因となった第一四半期決算についてです。

会社側は17/10期の事業別営業利益について、

駐車場事業 270億円(+8%)

モビリティ事業 60億円(+36%)

海外事業 10億円(--)

     を計画しています。

第1四半期の実績をみると、

駐車場事業 62億円(+5%)<23%>

モビリティ事業 5億円(▲29%)<8%>

海外事業 0.5億円(+75%)<5%>

        (( )内は増益率 < >内は進捗率)

となっています。

駐車業事業の進捗率はまずまず、海外事業は9か月の連結であるので第2四半期以降の状況次第だと思います。そういった意味ではモビリティ事業が気になるところです。

減益の要因については、日経新聞では「M&A(合併・買収)の関連費用や新サービスの開発費が収益の重荷となった」、決算短信では「安全装備への投資や増車ペースの加速等によるコストの増加」としています。

 

月次速報をチェック

当社は月次でKPIについて開示をしています。1月の速報ではカーシェアリング事業は順調に進捗しているとの記載もありますが、もう少しこれらを分析してから最終判断をしたいと思います。

 

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