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ユー・エス・エス(4732):今は我慢

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17期連続増配を予定

中古車オークションで圧倒的なシェアを誇るユー・エス・エス(4732)。この会社の特徴と言えば、総資産169,923百万円に対して利益剰余金が167,118百万円、現金・預金56,972百万円(16年12月末)もある内部留保の分厚さです。もちろん事実上の無借金(なぜか30百万円の有利子負債が計上されている)。そしてその配当余力から17期連続の増配が予定されているという会社です。直近の配当性向目標は50%まで引き上げています。

 

<ユー・エス・エス17/3期第3四半期決算説明資料より>

 

 高シェアにより高収益を実現するビジネス

この連続配当の原動力となっているのが中古車オークション市場での圧倒的なシェアです。当社資料によればシェアは2016年末で32.5%。1月18日に発表されたジェイ・エー・エーの子会社化が実現すると41.4%にまで高まる見込みとなっています。その結果、ROE(株主資本利益率)約15%、営業利益率約50%という高収益を実現しています。

 

<ユー・エス・エス17/3期第3四半期決算説明資料より>

 

 今期は業績予想を下方修正

当社は中古車オークション市場の拡大に伴い急成長を実現しましたが、リーマンショックにより大幅な減収減益を経験しました。その後、過去の勢いはなくなりましたが順調に売上、利益を拡大してきました。

今期はリーマンショック前の売上を超す計画でしたが、逆にリーマンショック後初の減収減益決算となる下方修正を第2四半期決算発表時に公表しています。

<ユー・エス・エス17/3期第3四半期決算説明資料より>

【業績修正率と前年同期比】

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その要因は「新車登録台数」と「中古車輸出台数」が2014年以降、減少に転じていることであると会社側では分析しているようです。

 

<ユー・エス・エス17/3期第3四半期決算説明資料より>

 会社側が認識しているように国内の新車登録台数は中期的にも大幅な拡大は見込みづらいと思います。当社はそのようななか、更なる収益拡大策として17年3月期までの約2年間で総額200億円の設備投資を計画しています。今期についてはその償却負担増も下方修正の要因となったようです。

 一方、中古車輸出については、短期的には、新興国経済成長鈍化、輸入規制等の影響で厳しい環境ととらえているものの、中期では、中央・南アジア、アフリカ、ロシア等における人口増、経済成長の余地は大きく有望市場ととらえているようです。

 

 <ユー・エス・エス17/3期第3四半期決算説明資料より>

 

 今は我慢して1,800円前後で買入を検討

しばらく業績面では厳しい局面が続くかもしれませんが、それほど大崩れするとも考えられません。初めに書いた通り、当社の内部留保と連続増配は非常に魅力的であり、株価が低迷すれば自己株式の取得をおこなうことも予想されます。しかしながら、現在の株価が十分に安いかについては判断が難しいところだと思います。当社の株主優待はQUOカード等の金券やカタログギフトと使い勝手が良いものとなっています。配当と株主優待を合わせた総合利回りが3%を超える水準、1,800円を目処に買入を検討したいと思います。当社業績も株価購入も「今は我慢」といったところでしょうか。

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