デジャビュの円高進行?
円高が進んでいます。昨夜の112.50円/$から約1円円高の111.50-75円/$近辺での推移となっています。
先のFRBでの利上げ見通しが3回/年にとどまったことにより米国長期金利が低下したこと、オバマケアの代替案が議会で採決される見通しが立たず、改めてトランプ政権の政策運営に不透明感が高まったこと、などが理由として挙げられています。
デジャヴュ
昨年、2016年のマーケットは株価の大幅下落からスタートしました。2015年の12月にFRBが遂に利上げを行い、年明け以降の為替がどうなるか多くの関心を高めていたタイミングでした。その後の株式市場、為替市場の動きはご存知の通りです。
【2015年12月利上げ後の日経平均とドル円相場】
【2015年12月利上げ後の日米金利差とドル円相場】
下落のきっかけとしては上海総合指数の急落や元安などが挙げられていましたが、今回デジャビュと感じたのは野村證券池田氏とJPモルガン佐々木氏の「円高VS円安対決」です。
2016年、年明け最初のモーニングサテライトにゲストとして出演した両氏は、ざっくり言えば「日米金利差拡大」による円安と「日本の経常黒字拡大」による円高で「対決」しました。両氏の見解は翌日の日経新聞にも掲載されたのを覚えています。
実は両氏の久々の「円高VS円安対決」が3月19日付の日経ヴェリタスに掲載されました。
主なポイントは下記の通りです。
野村證券池田氏
・今年の円相場を決める最も重要な材料は利上げの回数
・年3回の利上げが濃厚で、年末までに125円/$を予想
・仏大統領選挙でルペン氏が勝つリスクが後退し、FRBが6月に再利上げをすれば、早ければ6月に120円
・ドル高が進まないのは、仏大統領選挙の有力候補であったフィヨン氏のスキャンダルが発生したこと、トランプ大統領のドル高けん制。いずれも長続きせず解消に向かう。
・日米首脳会談で日本の金融・財政政策は米国から了承を得ているはず。日銀政策に直ぐに矛先が向くことはない。
・米国債を増発する立場で、ドルが安くなると言えば買い手がつかない。米国は「強いドル」を繰り返し主張する必要がある。
JPモルガン佐々木氏
・政治が重要な局面であるとみる
・トランプ政権の保護主義が強まるなかで、ドルが売られやすい
・年末までに105円/$程度まで上昇、政治材料への意識が来年も続けば、さらに円高が進み得る
・4月から日米経済対話や米財務省の陣営が高まるにつれ円高圧力は強まる。米政府にとって通商政策は国内世論で得点をあげやすい。
(3月19日 日経ヴェリタスより抜粋)
為替の予想なので、あの時、当たった外れたなどということを言いたいのではありません。その考え方を参考にさせていただいていますので、こういった企画はありがたいです。ただ、デジャビュでなければというだけです。その点、誤解なきようお願いします。
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