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サトーHD(6287):最後の1cm®

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昨日の日経新聞朝刊一面は「全コンビニに無人レジ 大手5社」の記事が掲載されました。  人手不足が深刻な業界の一つであるコンビニエンスストア業界が、その解決のために各社共通の商品タグを2025年までに導入するという記事です。

www.nikkei.com

 

自動認識装置で世界首位級

関連銘柄としてサトーHDを調べてみました。四季報によると「バーコード、プリンタなど自動認識システムで世界首位級」とのことで、バーコードやICタグ(RFID<Radio Frequency Identifier>)などの自動認識技術をもとに、バーコードプリンターや読み取り装置などの周辺機器(メカトロ製品)とバーコード印字用のシールなど(サプライ製品)を製造販売している会社のようです。

 

国内売上は伸び悩み

四季報をみると当社の売上は伸びているものの利益が思うように伸びていない印象を受けます。

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 当社の最近の決算説明資料を見ると、国内売上については上記のメカトロ製品とサプライ製品別ならびに市場別に、それに加えて海外地域別売上を開示しています。

14/3期から16/3期までの3期間の上記の売上動向をみると、国内売上は伸びておらず僅かながら減収となっています。 メカトロ、サプライ製品別ではメカトロが35〜40%の割合になっています。

【製品別(メカトロ・サプライ製品)売上<国内のみ>

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分野別にみても勢いを感じる分野は見当たりません。

【分野別売上<国内のみ>】

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M&Aを中心とした海外売上高の伸びにより、会社全体の増収を確保している状況のようです。

【海外売上】 

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一気通貫が大きな強み

当社HPによると、1960年代の「ハンドラベラー」、1980年代の「バーコードプリンター」といったものづくり中心の事業から、2000年代にかけては、モノと情報をバーコードで紐付け、集まったデータを収集し、ITシステムで処理することでソリューションを提供するビジネスへと展開してきたようです。しかし、国内については一巡感のある推移となっています。 

ただ、記事にあるようなICタグの本格普及という大きな流れのなかで、「自動認識技術を使ったハードウェア・サプライ製品の開発・製造からソリューションの開発まで一気通貫で行う世界で唯一の企業」(会社HPより)であることは、当社の強みになると思われます。

 

IoT時代のソリューションを提供

今後は、下記、記載のようなIoTの時代における様々なソリューションが当社の事業領域となってくると思います。

(前略)

IoTの時代が到来し、ビッグデータの活用が注目されています。しかし、その裏側では一つひとつのモノに誰かが情報を紐付け、正確なスモールデータを収集することが必要です。
モノとITの「ラストワンマイル」。この距離を「最後の1cm®」と称し、現場の最前線でつないでいく。これが情物一致を担ってきたサトーの使命と考え、今後も進化を続けてまいります。 (当社HPより)」

  

株価は窓を開けて上昇も慌てる必要はなし

ここから突然急成長するというわけではないですし、最終的にどこがICタグの世界で主導権を握っていくのかは判断が難しいですが、中期的に楽しみな銘柄PER20倍割れ(18/3期四季報予想ベース)、配当利回り約2.5%であれば、少し持っていても良い気がします。

ただし、17/3期の四季報予想は会社予想より下の数値が入っています。

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当社は17/3期ならびに16/3期の第2四半期時点に2年連続で業績予想を下方修正している「前科」がありますので、買うなら5月9日の決算発表を待ってからの方がよいかもしれません。

 

「いい会社」のお墨付き?

当社は様々な「賞」を受賞しているようです。直近では下記のような開示をしています。

・「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 経済産業大臣賞を受賞(16年3月2日)

・「健康経営銘柄」および「ホワイト500」にダブル選定(17年2月21日開示)

何やら「いい会社」のようではありますが…

 

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