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帝国繊維(3302):「対話」に向けて最後の仕込み時か

 本日の日経新聞「スクランブル」に「持ち合い解消 最終章」の記事が掲載されていました。金融機関を中心とした持ち合い解消に続き、事業法人の持ち合い解消を「最終章」として位置づけた内容となっています。

2015年にコーポレートガバナンスコードが策定され、スチュワードシップコードとともに、事業会社の政策保有株式への圧力は高まっているはずですが、なかなか、思うように進んでいないというのが現状です。

スパークス・アセット・マネジメント(以下、スパークスAM)が「日本株式スチュワードシップ・F 『愛称:対話の力』」で保有している帝国繊維の大量保有報告書を今年に入って提出したことは先日述べました。本日は新たにスパークスAMが作成したパワーポイント資料(「帝国繊維取締役会に対する当社の要望について」<4/10付>)を見つけましたので、その内容について確認してみたいと思います。 

スパークスAMがのホームページから辿ることができないので、「帝国繊維 政策保有」で検索してみてください。

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内容を ザックリまとめると、

◆90年代初頭に債務超過にまで悪化した帝国繊維の業績を富士銀行から来た現会長、社長が立て直した。これについてスパークスAMは高く評価している。

◆しかしながら、現状は活用されてない資産(現預金、有価証券、投資有価証券)が積み上がり、資本生産性を著しく悪化させている。

◆特に投資有価証券の約90%を占めるヒューリック株式は本業とのシナジーもあるとは思えず、時期を決めて売却すべきである。

◆帝国繊維は手元資金を有効活用して成長戦略を示し、合わせて株主還元策を投資家に明確に示すべきである。

 現会長、社長は既に82歳と71歳になっているが未だに君臨しているようです。恐らく、スパークスAMなんて金を右から左へ動かして儲けている輩くらいにしか考えていないのではないでしょうか。

驚くことに、上記パワーポイント資料のP22「これまでの対話状況」をみると、スパークAMが会社と面談するまでに1年以上かかっています。当然、対話はかみ合わぬまま今日に至っています。

流石に当社のレベルで非効率資産が積み上がっているのは酷いと言わざるをえませんが、一般的に事業会社の持ち合いは解消はそれほど簡単に進むものでもないでしょう。

帝国繊維の株価自体はじわじわと上昇しております。 途中、日経平均の16連騰があったとはいえ、年初からのトレンドは持続しているようで、月足では7連騰を達成しました

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 11月10日には第3四半期の決算発表があります。今期の会社予想に対する第2四半期までの進捗は順調であること、第1四半期と第4四半期のウェイトが高いことから、このタイミングでのネガティブサプライズはないと考えています。

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昨年は派手な下方修正を行ったようですが、発表は12月20日でほぼ第4四半期の動向が明らかになったタイミングでリリースされています。

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(2016年12月20日「業績予想の修正に関するお知らせ」 より)

 仮に第3時四半期の発表で株価が下げるようであれば、最後の仕込みをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

  

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