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ブロードリーフ(3673):打診買いは失敗か

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16/12期は減益決算で着地

先日(2月14日)、16/12期の決算発表のあったブロードリーフ(3673)ですが、0.2%増収、▲11.4%営業減益での着地となりました。

 

 <16/12期決算説明資料より>

利益段階では適時開示の必要となる30%に近い下方修正となり、株価は窓を開けて下落しました。

 <16/12期決算説明資料より>

 

 株主優待制度導入で注目度アップ

当社は昨年11月に導入された株主優待制度により配当と合わせた総合利回りが高い銘柄として知られています。当社の株主優待制度については下記リンクをご参照ください。

http://www.broadleaf.co.jp/ir/stock/benefit/www.broadleaf.co.jp

 保有株数別に総合利回り(QUOカードのみ考慮)をみると、

f:id:sokogakikitai:20170314163428p:plain

となります。株価は本日の終値で634円となっておりますが、総合利回りは買入価格の660円で計算しております。打診買いのつもりで8%超安のところで指してて置いたら1,000株あっさり刺さってしまいました。下値を確認してからの打診買いにするべきでした。

 

 情報開示しっかりしています

気を取り直して、更に長いスパンで保有し続けられる銘柄かどうか確認してみたいと思います。

まず、当社の事業内容については下記のリンクにある「事業説明資料」を見るとよくわかります。この資料に限らず当社の情報開示はしっかりしていて安心感があります

 個人投資家の皆様へ | IR情報 | 株式会社ブロードリーフ

 簡単に言うと、当社は「自動⾞アフターマーケット業界向けを中⼼に、自社開発の業務アプリケーションネットワークサービスを提供しているソフトウェア・ITサービスの会社」です。

 

主力の「システム販売」が減収トレンド

16/12期の決算資料を見ながら中身を確認すると、当社が注力しているという「ネットワークサービス」は9.0%の伸びとなっておりますが、最も売り上げ構成比の高い「システム販売」が▲2.9%となっております「ネットワークサービス」も9.0%の伸びとなっていますが、通期予想を▲8.5%下回ったようです。

 

 <16/12期決算説明資料より>

「システム販売」の内訳をみると、これも主力の「自動車系」の「ユーザー更新」の部分が▲12.4%と大きくマイナスとなっています。6年ごとに当社アプリケーションの利用者が契約更新(6年間のシステム利用権を販売時売上に一括計上)を迎えるようですが、その更新がきちんとなされないというのは心配です。

 <16/12期決算説明資料より>

この数値は趨勢的に落ちてきているようで、今期もマイナスとなる予想です。

 

 IFRS導入を考慮すると実質大幅減益見通し

今期業績見通しをみると数値上は微増収微減益となっていますが、当社は今期よりIFRSを採用するということで16/12期に発生したのれんの償却がなくなります。会社資料ではIFRS導入による増益効果は+560百万円としているので、これを考慮すると約▲35%の減益見通しとなります。

 全くいい話がありません。当社はここのところ業績下方修正が続いており、業況はかなり厳しいと考えざるを得ないでしょう。当社資料でも言及しているように、

(1)  システムの所有から利用の流れ

(2)  異業種の参入

といった要因により、過去のような連続2桁増益の成長局面は終了したのかもしれません。

好財務であり、今期予想配当の支払いや昨年11月に導入した株主優待制度の継続に問題はないと思われます。しかし、収益基盤が大きく揺らいでおり、今期はまさに構造転換に向けて正念場となると思われます。

 株式についてはしばらく継続保有しますが、買値を上回ったら売却を検討したいと思います。 

 

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