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夢真HLD(2362):ふじさんろく(2362)に夢真あり!!

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本日は既に保有している銘柄ですが、夢真ホールディングス(2362)をみていきたいと思います。

当社は、足元、そして2020年に向けて人手不足が深刻な建築業界で建築技術者の派遣を中心にビジネスを行なっています。

 

 建築現場に特化した技術者派遣が主要ビジネス

事業内容は、建設技術者派遣事業エンジニア派遣事業JQ2458:夢テクノロジー)、人材紹介事業(夢エージェント)、教育関連事業(夢エデュケーション)となっております。

主力の建設技術者(施工管理者/CADオペレーター)派遣事業が売上の75%営業利益の90%を占めています(16年9月期実績)。施工管理者はゼネコンと下請けの間を取り持ち、工程、安全、品質の管理を行います。

主要取引先はここ3期のトップは大和ハウス工業で約6%台のシェア推移。以下、大成建設、清水建設が続き特定企業への集中はないようです。

子会社の夢テクノロジー(JQ2458)で電機、自動車向けのエンジニアの派遣事業を行っており、夢エージェント(15年2月設立)、夢エデュケーション(16年5月設立)については現在のところ業績への影響は軽微な様です。

 

 建築技術者を高水準で安定採用することが必要

当社は技術者数×稼働率×稼働時間×派遣単価 をKPIとして管理しています。

<16年9月期決算説明資料より>

上記、技術者数は年間平均とのこと。

 

社員の定着率が気になる

当社は大量採用を行っているのでその定着率が気になるところです。会社公表資料によると16年9月期の定着率は69.8%で悪化傾向に歯止めがかかり回復基調にあるようには見えます

 ただ、

集計時点在籍者数÷(1年前在籍者数 + 1年間入社人数)で算出される定着率に実際の数値を当てはめてみると

 3,334人 ÷ (2,760人 + 2,018)= 69.8%

 つまり、 

1年前在籍者に新規採用者が加わって

2,760人 + 2,018人 = 4,778人

在籍者は4,778人になるはずが、

4,778人 - 3,334人 = 1,444人

 実際は3,334人しかいなかった。

 ということで、2,018人採用しても1,444人が脱落していくという世界のようです。

佐藤会長が「需要が強すぎないくらいがビジネス環境としては最適である」旨の発言をしたというレポートも読みましたが、悪く言えば現在は自転車操業的になってしまっているとも言えます。技術者の採用と定着が当社の業績を左右すると考えられます。

 

17年9月期より中期経営計画がスタート

当社は今期を初年度とする中期経営計画を公表しています。目標はレンジでの設定となっており、下限は現行のビジネス(建築技術者派遣・エンジニア派遣)の成長により達成できると見込まれる水準で、上限は新規事業による上乗せにより達成できる水準であると説明されています。

<16年9月期決算説明資料より>

FY2016=2016年9月期ということのようですが、一般的には今期(2017年9月期)がFY2016なのでは?

 

株価収益率からはフェアバリューの感あるも配当利回りでは妙味あり

まあ、それはどうでも良いことなのでFY2019、すなわち19年9月期ベースのEPSを使って現在(1月30日終値)のバリュエーションをみると、

PER(株価収益率)= 798円 ÷ (53円~67円) = 11.9~15.1倍

となり、FY2019年度までの成長は、現在のビジネスを前提とすれば、織り込んだ水準にも見えます。あとは新規事業がどれだけ成功を収めるかにかかっていると思われます。

当社の配当方針は、

17年9月期までは目標配当性向100%。その後も事業の成長に連動した配当を継続する方針

であり、中期経営計画の目標どおり業績が達成できれば現行水準からの増配が期待でき

<16年12月17日 個人投資家向け会社説明資料より>

 仮に現行の一株当たり35円としても4.39%とかなりの高配当銘柄だと言えます。

 ただし、当社は、現状、利益剰余金2,314百万円(16/9期末)に対してほぼ同水準の配当を支払っています。配当性向100%を越えて配当を実施していることも考え合わせると、業績悪化は即減配へつながると認識しておく必要があります。

 

 今期の滑り出しは順調

1月16日に四半期速報(1Q)があり

2017 年 9 月期 10~12 月度の売上高は、技術者数の増加、定着率の改善および派遣単価の上昇により、 前年同期比28.6%増収の 5,175 百万円となりました。24四半期連続で2桁増収となっております。 採用実績に関しましては、10~12 月度の 3 ヶ月間で 553 人の入社となり、四半期採用計画を上回る結果 となりました。1月に関しましても160 人以上の入社が決定しており堅調なスタートとなっております。

と無難なスタートを切ったようです。2月5日の1Q決算も特段サプライズなく通過できると思われます。

チェックポイント1:採用状況に異変はないか?

チェックポイント2:新規事業の収益化の進捗はどうか?

チェックポイント3:ワンマン体制の後継者問題は

 といった点をチェックしていきたい。場合によっては買い増しも検討したい銘柄と考えています。

 

 ふじさんろく(2362)に夢真あり!?

上記、チェックポイント3で上げた後継者問題。1947年生まれの会長と1983年生まれの社長のバトンタッチがうまくいくか。取り敢えず確認の術は会社のホームページに掲載されている動画配信あたりかと思い確認してみました

しかし、なんと司会かと思ったIR室の課長が、プレゼンテーションを全てやってしまい社長の姿も声も一秒も見聞きできず。確かに課長氏の説明はうまいいかもしれませんが、そういうことじゃないっていうところは分かっているのだろうか。まさか社長が説明できないレベルなんてことがないことを信じたい

それから、件の課長氏が個人投資家向け説明会で言っていましたが、夢真HLDの銘柄コードの覚え方は「ふじさんろくに(2362)夢真あり」だそうです。 

 

 

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成長株投資の神

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